詩人も語らぬ…? このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-12-05

[]強い女神

 いまメソポタミア神話を調べているのですが(別件で。サガとは関係ありませぬ)、シュメールでいわゆるイナンナ(のちのバビロニアでのイシュタル女神)の讃歌によれば、彼女は他の神を束にしてようやく同等と威張っています。讃歌ですから誇張して褒めまくりなんですけど、ひとりで全部を敵にまわした天晴れなサイヴァ女神を連想します。

 このイナンナ女神は冥界にくだったこともあり、なんと死も体験しちゃってます。そのへん、サイヴァ様とはぜんぜん違います。その後、自分の死を嘆き悲しまなかったという理由で、夫を身替わりに冥府に追いやって、ちゃっかりよみがえります。ゴイス。

 メソポタミア神話を調べるだに、大河のほとりにおこった文明だけあって、水というものの位置づけがたいへん重要だなと思うのです。してみると光神を主神とする神話大系世界であるマルディアスとは、メンタリティが全然違うでしょうね。

 ちなみにイナンナ女神がつさかどるのは性愛と戦、もし彼女を崇める文明が没落し、新興の文明にとってかわられたとしたら、サイヴァのように破壊女神として位置づけられるという展開もあったかもしれません。

 つまり、征服民族(人間ということになります)に奉じられていたエロールを主神とする神話大系がマルディアス世界で正当とされ、必然的に、それ以前の被征服民族(巨人や魔物?)が奉じていた神々は悪神に堕せられたと。

 力こそ正義と完全に断定されている世界を想定するならば、サルーインもべつに悪ではないのだと思います。破壊神といいながら、彼は実に多くのものを産み出してもいます。ジュエルビースト然り、四天王然り、そしてゲッコ族を立ち上がらせたのも彼でした。

 ゲームの上では、悪神は悪神として討伐される必要があるので、サルーインは最後の最後まで悪いヤツです。が、ただ一面的に「悪」ではなさそうだと匂わせるエピソードが入っているデスシェラハの扱いを見るだに、こういう読みとりかたをしても、おもしろいかもしれないなー、と思ったりしています。

2005-10-22デス様に再会

[]死とは魂の再生である(デス様談)

 四周目のシフで、ちょっとデス様に揉んでもらって来ました。

 で、久々にデス様のお話をきちんとお聞きしたのですが、マルディアスにおいては「輪廻」が当たり前のことのようですね。ただ、一般人の信仰にどこまで反映されているかは、よくわかりません。

 それがわかるようなイベントは、メルビルの「赤い蝶」くらいだったでしょうか? あのイベントで、アレー、輪廻転生って有りなのかなぁ? と考えたくらいですから、あれは死生観を反映するものと見ていいでしょう。

  • 魂はどんな生物でも等価
  • 死せる魂は冥府で浄化されて、再生する
  • 浄化されない魂は煉獄に落ちる

 こういうことのようですが、そういう死生観があるなら、遺体の価値は低めかな。でもヴァンパイアが発生するくらいですから、土葬をしている地域もあるのでしょう。ヴァンパイアは土葬でないと発生しませんから。

 すると今度は、土葬が地域的なものか、世界中普遍のものかという疑念が沸いてくるわけですが、これは気候風土によりけりかもしれず、ゲームの中に出てきた要素からだけで考えるのは難しいですね。

 わたしがプレイした範囲では、アルベルトの両親がニーサ神殿に葬られているという言及があり、「邪神」としておおっぴらには崇められることのない「死の神」はちょっとせつないな、と思いました。

 で、ニーサ神殿に葬るくらいだから、ローザリアにおける埋葬は「土葬」なのかなぁ、とも思いました。ほんとうのところがどうかは、わかりませんが。

2005-10-19半端な考察

[]半端な考察1:エロール

 光の神エロールは、伝説を真に受けるなら、女神サイヴァの小指の爪先から生まれていて、そこがかの女神の良心が宿っていたところだったので、善なる神として出現した。とのこと。

 すると「出現するなり母親と対決して、先頭に立ってこれを倒してしまう」という位置づけになるわけですよね。

 母をそのままにはしておけなかった。なぜなら、彼女を勝たせれば世界は破壊されてしまうから。それは悪だから。これを倒して世界を救うべき、という判断がなされたのは、エロールがそれ以外の基準をもたなかったからでしょう。

 子による親殺しというのは神話では普遍的なパターンですが(わたしも書いたことあります*1)、生まれるなり正面切って敵対してこれを倒す……、というのはちょっと特殊かもしれません。

 成長して親の影響下から抜け出すことを、象徴的に描くのが「親殺し」だとしたら、エロールは出現した瞬間からすでに成長しきっていた/親が必要ではなかった、ということになります。

「幼子から成長していく、周囲に育てられる」ということの意味を知らないまま世界に君臨し、ただ善悪是非のみを判断基準とするところから存在をはじめたのがエロールだとしたら、ゲームの年代あたりでのエロールの「あなたがたのすることをすべて受け入れましょう」という立ち位置は、彼の成長(変化)を示す表現なのではなかろうか、と思います。

 マルディアスと一緒に、彼が作った人の子らとともに、エロールも少しずつ変わっていったのではないかなー。

 というようなことを考えるのが、わたしは好きなので、またそのうちこういうことを書くかもしれません。

*1:ネタバレですが、絶版本なのでかまわんでしょう。……と思ったのですが、「かまわん」と思うのは著者だけかもしれんなぁ、と思い直したので、やっぱりタイトルは伏せます。ごめんなさい。

2005-05-21停滞

[]マルディアスの死後観は?

 イベント終盤、君の両親は蝶か! とツッコミたい気分に満たされながら画面を眺めておりましたが、死者が蝶になるという信仰でもあるのかなー。

 だいたい、この世界での死者の埋葬はどうなってるんだとか死後観はどうなんだとか考えだすとキリがないですね。三途の川があって冥界があるんだから、死後はデスにまかされるのか。デスは厳格そうだなぁ。蝶になってメッセージを伝えるというのはデス的にはアリなの? あれは霊体という設定なのか、それとも魂が虫に生まれ変わったのか。

 再生は魂への冒涜だ、というのはプロモ映像でのデス様のお言葉ですが、これはゲーム内でもう聞いた。そもそも生まれ変わりという概念はあるのか、あるのだとしたら人間が人間外にってのは堕落なのか? *1

 人間を作ったのがエロールなら、獣を作ったのはエリスということになるのかな?

 モンスターはサルーイン。魚はウコムか。鳥は獣に含まれますか、虫はどうですか、山は死にますか。人間以外も死ねば冥界に行くことになるのでしょうか。

 うわ、ちょっと書いてみるつもりが長くなりましたな、まぁそんなことも考えましたよ的なメモでOK。どう考えても三途の川に行ったりしない*2し。

*1:この項、id:usagiya:20051022に書きました。デス様に久々にお会いしまして、あらためて台詞を聞いたら、きちんと話しておいでですね。

*2:この項、読み返して「なんのことだ?」と思いましたが、つまりノベライズでの話ですね。要は、今回のノベライズのストーリー・ラインでは、三途の川には行かないし、死後観もつきつめて語る流れにはならないので、明白になっていなくても問題はないかな、と判断しているようです。